UNICEF「子ども気候リスク報告書2026」公表
2026.08.30
国連児童基金(UNICEF)は2026年6月、「子ども気候リスク報告書2026(Children’s Climate Risk Report 2026)」を公表しました。この報告書は、UNICEF主導で構築されたデータベースである「The Global Child Hazard Database」に基づき、世界の子どもたちが気候災害にさらされている状況を詳細に示しています。
報告書は、河川洪水、沿岸洪水、干ばつ、熱帯低気圧、熱波、極端な高温、火災、砂塵嵐という8つの気候ハザードに加え、気候の影響を受けやすいハザードとして、マラリアと大気汚染についてもマッピングしています。その結果、世界のほぼすべての子どもに相当する約23億人が少なくとも1つの気候ハザードにさらされ、約11億人が3種類以上のハザードに同時に直面するなど、世界規模で多くの子どもたちが気候リスクに曝露している実態を克明に描き出しています。ハザード別では、干ばつに約18億人、熱波に約15億人の子どもが影響を受けているとされています。
報告書は、こうした被害を法的義務の問題としても位置づけています。2025年7月の国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見が、各国には気候変動に対処する義務があり、排出削減を怠れば損害賠償責任を負う可能性があると指摘したことに触れ、気候対策は法的な義務であると強調しています。発達途上にある子どもの身体は、こうした災害がもたらす身体的・心理的ストレスに脆弱であり、その影響は大人よりも深刻になりやすいと考えられます。本報告書は、環境変化と子どもの健康との関係を示すエビデンスとして、プラネタリーヘルスの観点からも重要な資料であるといえます。