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WHO欧州地域事務局、「熱と健康の行動計画ガイダンス」第2版を公表

2026.07.23

世界保健機関(WHO)欧州地域事務局は2026年6月11日、「熱と健康の行動計画ガイダンス(Heat–Health Action Plans: Guidance)」の第2版を公表しました。発表にあたり同事務局は、欧州では過去4年間に32か国で20万人以上が暑熱により命を落とし、その大半は完全に予防可能であったと強調しています。本ガイダンスは、猛暑(熱波や異常な高温日など)を気候変動がもたらす最も差し迫った直接的な健康への脅威の一つと位置づけ、各国が国・地域・自治体の各レベルで対策計画を策定・強化・実施するための実践的な枠組みを示すものです。2008年の初版以来となる全面改訂であり、気温上昇に急速な都市化と人口高齢化が重なり、猛暑への曝露と脆弱性がともに高まっている現状を背景としています。特に高いリスクにさらされる集団として、高齢者、慢性疾患を持つ人、妊婦、新生児・子ども、暑熱下で働く労働者、社会的に不利な立場にある人々を挙げています。

同ガイダンスでは、熱と健康の行動計画(HHAP:Heat–health action plans)を、①ガバナンス、②熱と健康の警報システム、③高リスク集団の特定、④コミュニケーション、⑤保健システムのレジリエンス、⑥熱曝露の低減、⑦熱と健康のサーベイランス、⑧モニタリング・評価・学習、という8つの柱で構成しています。平時の備え、猛暑時の発動・対応、そしてシーズン間の学習・改善という一連のサイクルを通じて、警報を「事前に取り決めた行動」に確実につなげる仕組みづくりを重視している点が特徴です。あわせて、保健医療、職場、学校・保育、都市・建築環境といった分野別の実践ブリーフや、そのまま使える広報メッセージ集など、現場向けのツールも提供されています。

本ガイダンスは、欧州地域の加盟国が気候変動に関連する健康課題への緊急かつ広範な行動を優先事項として合意した2023年のブダペスト宣言の流れを汲むものであり、欧州向けに作成されつつも他地域にも応用可能な設計となっています。気候変動が人々の健康に影響を及ぼすことを前提に、回避可能な健康被害を防ぐための警報、サーベイランス、都市環境の改善、部門横断の協力のあり方を体系的にまとめており、プラネタリーヘルスを暑熱対策の枠組みで実践する際に参考になる資料といえます。