WHO、医薬品規制に脱炭素の視点を求める国際枠組みを公表
2026.09.28
世界保健機関(WHO)は2026年7月29日、医薬品の品質・安全性・有効性やアクセスを維持しつつ、医薬品のライフサイクルに伴う温室効果ガス排出を減らすための初の世界的規制枠組み「Towards a greener pharmaceuticals’ regulatory highway」を公表しました。保健医療システムは世界の温室効果ガス排出量の約5%を占めるとされ、医薬品も原材料の調達、製造、輸送、使用、廃棄などを通じて環境負荷を生じさせます。
今回の枠組みは、①規制当局の認識向上・能力構築、②排出量の測定・報告等に関する国際的なガイダンスや標準の整備、③低炭素化につながる製造工程変更などを円滑にする規制手続の活用、という三つの柱で構成されています。環境性能を医薬品承認の新たな要件とするのではなく、既存の規制制度の中で、低炭素な技術・製法への移行を不必要に遅らせないことを狙いとしています。
プラネタリーヘルスの観点では、人の健康を守る医療そのものの環境負荷を減らすという点に大きな意義があります。安全性・アクセス・安定供給を確保しながら国際的に共通した脱炭素化を進められるかが、今後の重要な課題となるといえます。