最も暑い夏2025
2025.09.11
2025年9月1日、気象庁は2025年の夏(6-8月)の全国平均気温を公表しました。2025年夏の全国平均気温は、平年より2.36度高く、 2023年・2024 年(+1.76度)を大幅に上回り、統計開始(1898 年)以降、最も高くなりました。
この傾向は、各地域においても同様であり、2025年夏の各地域における平均平年差は、それぞれ北日本で3.4度、東日本で2.3度、西日本で1.7度高くなり、いずれも統計開始(1946年)以降最も高くなりました。地点ごとでも、全国153の気象台等のうち132地点で夏の平均気温が最も高くなったほか、この夏に猛暑日を記録したアメダス地点数は積算で9385地点となり、統計の比較が可能な2010年以降で最も多くなりました。
こうした天候をもたらした要因について、文部科学省と気象庁の合同研究チームは、地球温暖化が無いと仮定した場合、今夏の高温はほぼ発生し得なかったとの速報的な分析を示しました。同研究チームは、すでに温暖化が進行している2025年現在においても、今夏の高温は数十年に一度の発生頻度であったとも評価しました。
こうした状況は、地球温暖化によって2025年夏の記録的な高温が観測された可能性が高いことを示しており、単なる高温への適応策を講じればよいのではなく、温室効果ガス削減などの緩和策も重要であることを示唆しています。プラネタリーヘルスの観点から、暑熱による様々な健康リスクが明らかとなっている中で、緩和策・適応策双方の対策を進めていくことがますます重要になっているといえます。